夜 わたしがいる
暗い夜の空気に

明るい 人の世から遠い
澄んだ静かな中に
月の光に照らされ
姿なく 柔らかな狂気を湛えて
わたしはいる

つめたく冷えた夜
人外の夜に
狂気を携える
あなたへの狂気を


人工の灯りと
闇の狭間
いなくなりかけたわたしが
正気を保つあなたと出会う
静寂な狂気を味わうあなたと
その身は暖かい衣に包まれ
わたしの凶暴な恐れを感じてない

早く行くといい
早く去るといい
ここはあなたがいるべきではない

ここはわたしの場
冬の夜の わたしの場
夜の狂気の わたしの


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